ダイエットでは停滞期が起こります。
正しいダイエット方法を実践していたとしても、ダイエット幅が大きければ大きいほど停滞期に悩まされるリスクは高まります。
停滞期の(主要な)原因は、以下の3点です。
- 体重減少
- ホルモン分泌の低下
- 筋量の低下
筋トレダイエットに取り組んでいるのであれば、「筋量の低下」は防ぐことができます。しかし、「体重減少」と「ホルモン分泌の低下」による停滞期は、ダイエットに取り組むのであれば避けては通れない問題点となります。
体重減による消費エネルギーの低下
◇
体重が減れば、消費エネルギーも減ります。
代謝には、基礎代謝と活動代謝があります。
前者は生活の中で自動的に消費されるエネルギー、後者は活動することによって消費されるエネルギーで、内訳は以下のようになります。
- 基礎代謝:60~70パーセント
- 活動代謝:30~40パーセント
体重と代謝には比例関係が成り立ちます。
体重(特に筋肉)が大きければ基礎代謝も大きくなります。
そして、体重が重いということは重りを背負って日常生活を送っていると言い換えることができますので、当然、活動代謝も高まります。
脂肪消費に関わるホルモン分泌
◇
ダイエットを続けていくと、少ない摂取エネルギーでも対応できるように身体が変化していきます。脂肪組織からのレプチン分泌や、脂肪消費に関わるホルモン分泌を少なくすることによって代謝を下げてしまうのです。
ダイエットの基本原理は「エネルギー収支のマイナス」をつくり出すことです。
ホルモン分泌の変化によって、代謝(消費エネルギー)が少なくなれば、ダイエットは停滞してしまうことになります。
ホルモン分泌の低下による停滞期を起こさないようにするためには、摂取エネルギーに変化を付ける必要があります。同じ摂取カロリーを続けるのではなく、「食べる日」と「あまり食べない日」を明確に区別するということです。
間違ったダイエットによる筋量の低下
◇
食事制限だけで体重を落としていくと、体脂肪以上に除脂肪体重(筋肉や骨など)が分解されていきます。面白いように体重は減るのですが、お世辞にも「ダイエット成功」とは言い難い状態です。
そして、代謝に大きな影響力を持つのが”筋肉”です。
筋肉量は基礎代謝量に比例しますが、それだけでなく、全代謝量とも濃い相関関係があるのです。逆の見方をすれば、筋肉は大変に不経済な組織ともいえます。全エネルギーの半分以上を消費してしまうのですから。
引用元:石井直方[著]『太らない教室』P138より
除脂肪体重が減るほどに、体脂肪は落としにくくなっていきます。
はじめは(体重が)落ちるかもしれませんが、筋肉を減らしてしまうようなダイエット方法を続けてしまうと「食べていないのに痩せられない」という最悪な結果を招いてしまう可能性があるのです。
まとめ
ダイエットで停滞期が起こってしまうのは、代謝の低下によるものです。
「なぜ代謝が低下してしまうのか?」にはいくつかの要因があり、体重減少、ホルモン分泌の低下、筋量の低下など、原因はひとつではありません。
しかし、「筋トレダイエットをしている」ということを前提として考えていけば、停滞期の原因は「体重減少」と「ホルモン分泌の低下」の2つに絞り込むことができます。
(ダイエット幅にもよりますが)体重減少による代謝の低下はさほど大きなものではありません。多くの場合、停滞期の原因は「ホルモン分泌の低下による代謝の低下」だと判断することができるはずです。