カフェインが(直接的に)脂肪を燃焼させることはありません。
カフェインのダイエット効果は、あくまで脂肪の分解です。
せっせとカフェインを摂取していても、活動量を増やして燃焼させなければ「脂肪組織として再合成されてしまう」ことになります。
全く意味がないというわけではありませんが、「カフェインを摂取していれば運動をしなくても痩せられる」という単純な話ではないということです。
体脂肪分解作用
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カフェインには、体脂肪を分解する作用があります。
体脂肪が分解されて血中に放出される(血中に遊離脂肪酸が増える)ことによって、運動による脂肪燃焼効率が高まるためです。
カフェインはノルアドレナリンやアドレナリンの分泌を刺激し、脂肪細胞内にサイクリックAMP(C-AMP)を増やし、ホルモン感受性リパーゼを活性化して貯蔵脂肪の分解を促します。
引用元:鈴木正成[著]『スポーツの栄養・食事学』P145より
「有酸素運動の前にコーヒーを飲むと脂肪燃焼効率が高まる」といわれているのは、コーヒーに含まれているカフェインの作用によるところが大きいといえます。
カフェインへの耐性
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カフェインの脂肪分解作用が持続することはありません。
有効量(160~240mg)の摂取を2週間ほど続けると、カフェインの効果を感じられなくなっていきます。耐性がついてしまうのです。
このことからもカフェインの作用を効果的に利用するためには、定期的なカフェイン断ちが必要不可欠なものとなります。
また、カフェインによる血中脂肪酸濃度が高まるという作用には、「糖質の摂取によって著しく阻害されてしまう」という特徴があります。効果がゼロになってしまうわけではありませんが、効果的ではありません。
特に(筋トレダイエットによって)積極的に糖質を摂取している場合は、カフェインによる脂肪分解作用に過度な期待を持たないことがポイントになります。
まとめ
しかし、分解した脂肪は(有酸素運動などによって)燃焼されなければ再び脂肪組織として再合成されてしまうことになります。
「カフェイン摂取=ダイエット」という結果にはなりません。
カフェインは運動に対してプラスに作用します。
運動の質を高めるために利用するのは大いに賛成なのですが、ダイエット(脂肪を減らすだけ)のためのカフェイン摂取は手放しで賛成できるものではありません。