筋肉痛には、治りやすい筋肉痛と治りにくい筋肉痛があります。
これは、筋繊維が受けたダメージの大小によって、修復過程(修復されるメカニズム)に違いが生まれるためです。

  • 補修可能な損傷:筋サテライト細胞が張り付くようにして補修する。
  • 補修が難しい損傷:損傷した筋肉を分解してから再生する。

通常の筋肉痛であれば2~3日間ほどで回復します。
しかし、筋繊維の分解と再生が必要なほどの筋肉痛は、回復までに10~14日間ほどかかることが確認されています。

以下、長引く筋肉痛に関する詳細を説明していきます。

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治りにくい筋肉痛

治りにくい筋肉痛は、筋繊維へのダメージが大きすぎた場合に起こります。

大きすぎるダメージを受けた筋繊維は、筋サテライト細胞による修復ができずに壊死してしまいます。壊死した筋繊維は、タンパク質分解酵素によってアミノ酸に分解されてしまうことになります。

分解されてから再生されることになりますので、通常の修復(筋サテライト細胞が張り付くことによる修復)に比べると回復までに時間がかかります。

  • 通常の修復:2~3日間
  • 分解されてから再生される修復:10~14日間

修復に要する期間は、遺伝的要因や食事内容が深く関わってきます。
必ずしも「通常の修復には2~3日間」「分解してから再生するには10~14日間」というわけではなく、ひとつの目安にすぎません。

無理をすることのリスク

長引く筋肉痛の場合、トレーニング頻度を落とす必要があります。

無理をしてしまうと、筋肉の質を落としてしまいます。
補修できないほどのダメージを受けた筋繊維は、新たな刺激によって繊維化(ファイブローシス)してしまう可能性があります。

柔軟性に乏しい、質の低い筋肉になってしまうのです。

疲労回復しないうちに筋肉が壊れるトレーニングを続けていると、繊維化(ファイブローシス)と言って、筋肉の中に結合組織の繊維が多くなってきます。すると、俗に言う「固い筋肉」、力を入れてもゆるめても、あまり硬さの変わらないというタイプの筋肉になってしまうのです。

引用元:石井直方[著]『石井直方の筋肉まるわかり大事典』P22より

しかし、すべての筋肉痛が「分解してから再生されるほどの損傷」を受けているわけではありません。明らかなパワーダウンを感じていないのであれば、スケジュール通りにトレーニングを継続しても問題にはなりません。

また、筋肉には「トレーニングを継続していると筋肉痛が起こりにくくなる」「筋繊維の修復にかかる時間が短縮されていく」という特徴があります。

  • 筋肉痛が起こりにくくなる。
  • 筋繊維の回復が早くなる。

これらのことからも、治らない筋肉痛というのは「筋トレ初心者」「新しく取り入れるトレーニング」「エキセントリック局面(伸張性収縮)を重視したトレーニング」などにおいて考慮すべき問題だと言うことができます。

筋肉痛を和らげる食事管理

筋肉痛は、休養と栄養によって回復していきます。

特に注目して欲しいのが、栄養(食事)です。
栄養バランスの整った食事や特定の栄養素には、「筋繊維の回復を早める」「筋肉痛の痛みを和らげる」などの効果があります。

  • PFC(三大栄養素)
  • 抗酸化物質

栄養が足りていなければ、スムーズな回復は望めません。
PFC(タンパク質、脂質、糖質)を、バランスよく、不足することなく摂取することがポイントになります。

また、抗酸化物質も重要です。
抗酸化物質(ポリフェノール、ビタミンC、ビタミンEなど)を摂取していると、「筋肉の炎症が和らぐ」「筋肉痛が早く治る」などのメリットが得られます。

筋トレをしている人には、「アボカド、ブドウ、ブロッコリー、柑橘類など」をよく食べているイメージがありますよね? ・・・抗酸化物質を積極的に摂取しているのは理由があってのことなのです。

ちなみに、アルコールは控えておくのが賢明です。

まとめ

筋繊維の修復には、2種類の修復過程があります。

通常の修復であれば、なにも気にする必要はありません。
しかし、時間のかかる修復の場合は、積極的なディトレーニング(計画的な休養)を取り入れていく必要があります。

筋トレは、「無理をすればするほどに、良い結果が得られる」・・・というような単純なものではありません。

筋肉痛の症状(筋繊維の状態)を正確に把握して、「トレーニングをするべきなのか?」「休むべきなのか?」を正しく選択していく必要があります。