ダンベルプレスのやり方を説明します。
ダンベルプレスは大胸筋のトレーニング種目です。
20kg、25kg、30kgなど・・・厚い胸板への憧れや、重量のクリアを目標にしやすいことなどからも人気種目のひとつになっています。
しかし、フォームを崩せば「とりあえず上がってしまう」ことの多い種目でもありますので、はじめは重量へのこだわりを捨てて「ストリクトフォーム」であることを重視する必要があります。
ダンベルプレスのやり方
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ダンベルプレスは、「大胸筋に負荷を乗せる」ようなイメージを持つことがポイントになります。・・・腕で上げるのではなく、胸で上げるのです。
以下、基本的なやり方の説明です。
- スタートポジションをとる。
- 大胸筋の伸張を感じながらダンベルを下ろす。
- 大胸筋の収縮によってダンベルを押し上げる。
①スタートポジションをとる。
肘を伸ばしてダンベルが左右の肩の上(もしくは肩の真上よりも少し外側)で保持されている状態がスタートポジション(開始姿勢)です。
肩甲骨を内側に寄せ、胸を張ることがポイントです。ベンチに背中をべったり付けない(ベタ寝しない)ようにして、しっかり体幹(コア)を固定します。この際、お尻を浮かせないように注意してください。
- 肩甲骨を下ろして内側に寄せる。
- 胸を張る。
- ベンチに「ベタ寝」しない。
②大胸筋の伸張を感じながらダンベルを下ろす。
胸の張りを保持(コアを固定)したままダンベルを下ろします。肘を開くことで大胸筋への負荷が大きくなります。シャフトを下ろす位置は「乳首の延長線上」が目安となります。それ以上になると肩を痛めるリスクが高まりますので注意してください。
肘を開きつつ、弧を描く軌道で下ろしていくことがポイントです。
③大胸筋の収縮によってダンベルを押し上げる。
ダンベルを下げる動作と同じポイントを意識しながら、持ち上げていきます。ダンベルを持ち上げる動作につられて肩を前に出さないようにすることがポイントです。胸を張ったまま動作を完了させるというコトです。
- 胸を張る(コアを反らせた状態で固定する)
- 弧を描くように体から遠い軌道を通る
- 持ち上げる動きにつられて肩を上げない
大胸筋を絞り込むような感覚が必要です。
しかし、ダンベルを肩の真上まで持ってきてしまうと大胸筋への負荷が逃げてしまいますので、絞り込みながらも「肩の真上よりも少し外側まで持ち上げる」ことがポイントになります。
ダンベルプレスの注意点
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ダンベルプレスの注意点は、大きく3点です。
- 肘の角度は開きすぎずに閉じすぎない。
- 胸を張って大胸筋をフルストレッチさせる。
- ダンベルの軌道は「小さな円弧」にする。
ダンベルプレスは、(間違ったフォームや実力以上の負荷によって)肩や肘を痛めやすいトレーニング種目です。トレーニング初心者の場合、フォームを崩さないとできないような重量へのチャレンジはおすすめできません。
体幹に対する肘(上腕)の角度
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大胸筋を刺激するためには、上腕の角度がポイントになります。
ダンベルプレスは、胸の張りを保持したまま動作させます。
(ある程度)肘を開くことがポイントであり、肘を閉じたままだと上腕三頭筋のトレーニング(ナロースパンダンベルプレス)になってしまいます。
無理をして肘を開く必要はありませんが、「乳首の延長線上にシャフトを下ろす」のがひとつの目安になります。
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また、自分のレベルにあっていない重量でのトレーニングは、無意識のうちに大胸筋への負荷を上腕三頭筋や三角筋前部へと逃がしてしまうようなフォームになってしまいますので注意が必要です。
「使用重量=フォームを崩さずに8RMできる重量」を意識してください。
体幹(コア)の固定
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胸を張ることがポイントであり、ベンチに背中を付けて(ベタ寝して)しまうと「大胸筋がフルストレッチされない」「体幹(コア)や肩関節が不安定になる」などの問題が生じることになってしまいます。
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また、効かないだけならまだマシなのですが、体幹(コア)や肩関節が不安定になるということは「怪我のリスクが高まる」ことに直結してしまうことにもなりかねません。
ダンベルの軌道
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ダンベルプレスの動作は、「弧を描くようにダンベルを動作させる」ことが重要です。直線的な軌道や揺れるような軌道になってしまうと、大胸筋への負荷が逃げてしまいますのでトレーニング効果は著しく低下します。
ダンベルを肩に向かってまっすぐおろすと大胸筋への負荷が減る。遠回りさせて弧を描くようにする。
引用元:石井直方、岡田隆[著]『筋力トレーニング・メソッド』P109より
自宅筋トレでは、「フルレンジで効かせるトレーニング」が基本です。
パーシャルトレーニング(稼働域を狭くして高重量を扱うトレーニング)は、使用重量や怪我のリスクの点でデメリットが大きすぎるためおすすめできません。
また、稼働域やフォームを確認するためには、動画での撮影が効果的です。撮影することによって「自分では気づかなかった問題点」が浮かび上がってくることになりますので、定期的な動画撮影をおすすめします。
ベンチがない場合
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ベンチがない場合には、座布団を使用することをおすすめします。
ベンチを使わないデメリットは、大きく2点です。
ひとつ目が「フロアプレスでは稼働域が狭くなってしまう」ことであり、ふたつ目が「高重量ではスタートポジションをとりにくくなる」ことです。
- 稼働域が狭くなる。
- スタートポジションまでが難しくなる。
座布団を使用すれば、「稼働域が狭くなってしまう」という問題は解決できます。
https://www.qolfit.com/post-1727/
まとめ
はじめから完璧なフォーム(ストリクトフォーム)でできる人はいません。
フォームが難しいからこそ、「適切な重量でのトレーニング」を心がける必要があります。ついつい実力以上の重量にトライしたくなってしまうものですが、肩や肘を痛めないためにも、無理をすることなくステップアップしていくことがポイントです。
重さですが、何回続けてダンベルプレスを出来れば良いですか?
取りあえず10回出来る重さで2回を目標位かな?
筋肥大目的のトレーニング変数は、以下の通りになります。
しかし、絶対的な正解ではありません。
ピリオダイゼーション(トレーニングの期分け)を考慮しつつ、筋力向上目的の「5回5セット」や、筋持久力向上目的の「15回3セット」などにも取り組む必要があります。
もし、筋トレをはじめたばかりなのであれば、まずはトレーニング変数(8~12回・2~3セット・週2回)を2~3ヶ月間ほど継続してみることをおすすめします。