筋トレには、適した時間帯があります。
これはトレーニングパフォーマンスに「体温」や「体内時計」の影響力が及ぶためであり、時間帯によりトレーニング強度が変化してしまう可能性があります。
しかし、必ずしも時間帯厳守というわけでもありません。
体内時計は個々のライフスタイルに依存しますので、トレーニングを実施する時間を固定することによって、徐々に体内時計も変化していくことになります。
以下、詳細の説明をしていきます。
夕方のトレーニングが理想?
最もパフォーマンスが上がりやすいのは、夕方です。
人間の体には、体内時計があります。
体内時計は生活リズムに応じて「体温、ホルモン分泌、睡眠、摂食サイクルなど」に影響力を持ち、体内時計によって運動能力にも違いが生じることになります。
特に体温(筋温)は、運動能力への影響力の大きな項目です。
多くの研究者は、1日の間に約1度の幅で推移する体温が、時間帯によるパフォーマンスの違いを生み出している主な要員であると考えています。中核体温(環境の温度に影響されない内蔵などの深部体温)が上がることによって、筋肉が弛緩し、代謝反応や神経信号の伝達は速くなります。
引用元:アレックス・ハッチンソン[著]『良いトレーニング、無駄なトレーニング』P116より
体温が高くなれば、トレーニングの質も向上します。
このことからも、一般的な睡眠リズムを持つ人の場合、「体温が高くなる午後6時前後のトレーニングがもっとも効率的(高いパフォーマンスを発揮できる時間帯)」であるということになります。
時間帯を固定するメリット
時間帯を固定することによって、その時間帯の筋力発揮能力が高まります。
セオリーとしては、夕方のトレーニングがもっとも効果的です。
しかし、トレーニングを実施する時間帯を固定することによって、夕方以外の時間帯でも筋力発揮能力を最大限に高めることが可能となることが確認されています。
普段トレーニングを行っていなかった人は、朝よりも夕方の方が筋力発揮能力が高く、朝トレーニングを行っていた人は、朝の筋発揮能力が高まり、夕方トレーニングを行っていた人も夕方の筋力発揮能力が高まりました。
引用元:比嘉一雄[著]『痩せる筋トレ痩せない筋トレ』P108より
普通の生活していれば、夕方に筋温が高まるのが一般的です。
しかし、早朝のトレーニングを継続している場合では、早朝にも筋温が高まるようになりますので筋発揮能力のピークが(1日に)2度訪れるようになります。
このことからも、「筋トレはいつやればいいの?」という疑問は、あまり意味のない問題だということが分かります。・・・可能であれば夕方、不可であれば(可能な限り)時間帯を固定することがポイントになります。
まとめ
筋トレに適した時間帯は、夕方6時ごろです。
しかし、トレーニングの時間帯を固定することによって、夕方以外の時間帯であっても最大限の筋力を引き出せるようになります。
長期的には「いつやっても同じ」であるということです。
ポイントは、「深部体温」です。
深部体温は運動能力に大きな影響力を持ちますので、時間帯を気にするよりも「体が芯から温まっているのか?」を気にする必要があるということです。