ダイエット中であっても、間食をやめる必要はありません。
多くのダイエット本(書籍)では、「まずは間食(おやつ)をやめなさい」と書かれていることが多く、「痩せるためには間食をやめなければいけない」「間食をやめられないから痩せられない」と考えてしまっている人は少なくありません。
しかし、間食には大きなメリットがあります。
無理をして間食をやめる必要はありませんし、場合によっては「間食を食べることによってスムーズに痩せることができる」という可能性があることも事実です。
エネルギー収支+α
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摂取エネルギーが同じであれば、食事回数は増やすべきです。
ダイエット(体脂肪を減らす)ためには、エネルギー収支のマイナスが必要です。・・・極論のようになってしまいますが、「消費エネルギー>摂取エネルギー=痩せる」「消費エネルギー<摂取エネルギー=太る」という原理は絶対です。
しかし、摂取エネルギーが同じなのであれば間食はプラスに作用します。
- タンパク質合成の促進
- 血糖値の乱高下を防ぐ
食事には、タンパク質合成を促す作用があります。
また、間食をとることによって(相対的に)1度の食事量が減ることになりますので、血糖値の急上昇を防ぎやすくなります。・・・つまり、体脂肪合成を最小限にとどめることができるようになるということです。
タンパク質合成と分解
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間食には、筋分解(タンパク質分解)を抑制する作用があります。
タンパク質の分解と合成は、シーソーのような関係性を持ちます。
これによって、分解が優位になれば合成が抑制されますし、合成が優位になれば分解が抑制されるということになります。
タンパク質合成を促すためには、3つの刺激が利用されます。
- 無酸素運動(筋力トレーニング)
- 食事(主にタンパク質と糖質)
- 睡眠(入眠後の深い眠り)
ここで注目して欲しいのは、食事によるタンパク質合成の促進です。
食事には、タンパク質合成を促す作用があります。
タンパク質に含まれているアミノ酸(主にロイシン)は、タンパク質合成を強く促します。また、糖質はインスリンの作用によってタンパク質合成が促されます。
しかし、年齢によって食事による作用が変化していくことも事実です。
しかし、食事によるたんぱく質の合成は、どうやら年齢によって大きな差があるようでもあります。それは、歳をとってくると、糖質が効かなくなることが原因と考えられます。
引用元:石井直方[著]『一生太らない体のつくり方 スロトレ実践編』P165より
このことからも、(年齢を重ねているのであれば)第一候補はタンパク質であり、ロイシンが豊富に含まれている乳製品や肉類を間食とすることが理想です。・・・プロテインをこまめに飲む方が多いのには、こんな理由もあるのです。
残念ですが、脂質の豊富な洋菓子はあきらめることをおすすめします。
ダイエット中の空腹感
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間食を増やすことで、ダイエット中の空腹感を和らげることができます。
空腹感を作用するのは、血糖値です。
血糖値を上昇させること自体が悪だというわけではありませんが、一定条件(筋トレ後や起床直後など)を除けば、血糖値の急上昇は避けるべきです。
血糖値の乱高下は健康を害しますし、無駄な空腹感を招いてしまいます。
間食をとることによって、血糖値の安定につながりやすくなります。
(食事回数を増やすことによって)無駄に体脂肪合成を促してしまうことも避けられますし、強い空腹感も起こりにくくなります。
摂取エネルギーのコントロールができているのであれば、ダイエット中の間食には大きなメリットがあるのです。
まとめ
もちろん、「設定した摂取エネルギーの範囲内において」「タンパク質(もしくは糖質)を主体とするおやつ」などという条件はつくのですが、間食に多くのメリットがあるというのは事実です。
- タンパク質合成の促進
- 空腹感の緩和
これらのことからも、ダイエット中であっても間食(おやつ)を我慢する必要はありません。食べるべきものを賢く選択して、可能な限り無理のない(ストレスをため込まない)ダイエットを目指しましょう。