グルタミンは、コンディションを整えるために効果的なアミノ酸です。
非必須アミノ酸ですので、本来は「必要に応じて体内で合成される」ものなのですが、肉体的、精神的に大きなストレスがかかった際にはグルタミンの合成が追い付かなくなってしまうことがあります。
このことからも、グルタミンは「条件下における必須アミノ酸」と呼ばれています。条件によっては、外部から摂取しなければ不足してしまうアミノ酸だということです。
グルタミンの具体的な作用には以下のようなものがあります。
- 筋肉のエネルギー源として利用される。
- 成長ホルモンの分泌を促進する。
- 消化管粘膜の成分(ムコたんぱく質)の生成を促す。
- 免疫細胞が分裂する際のエネルギー源となる。
- 水分や電解質の細胞への取り込みを活性化させる。
筋肥大や除脂肪(体脂肪の減少)への直接的な関与は大きくありませんが、グルタミンが不足するのを防ぐことによって、(胃腸の機能を活性化させて)本来のコンディションを取り戻しやすくなるというメリットがあります。
また、グルタミンには「筋肉痛の緩和」や「筋タンパク質の合成」などの作用があることも確認されています。
また、グルタミンには疲労回復を促す際に筋肉痛を緩和したり、筋中へのタンパク質同化を促したりする作用があることが複数の実験で確認されている。
引用元:『IRONMAN 2016年10月号』P83より
これらのことからも、トレーニングによって「オーバーワーク気味」であったり、精神的なストレスによって「胃腸の機能が低下」してしまうような場合には積極的に摂取しておきたいアミノ酸ということになります。
積極的な疲労回復
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グルタミンには、グリコーゲンが枯渇しやすい条件下では「グリコーゲンの合成を促す」という作用があります。これによって、トレーニングの強度を維持しやすくなりますし、筋肉の回復を早めてくれることになります。
- 疲労が抜けなくなってくる。
- 体調を崩しやすくなる。
グルタミンは、免疫細胞が分裂する際のエネルギー源として重要であり、グルタミンを摂取することで免疫力を高める(維持する)ことにつながります。免疫力低下による体調不良を予防できるということです。
強度の高いトレーニングには「血液中の白血球を減らして免疫機能を低下させてしまう」というデメリットがあります。風邪など、感染症のリスクを軽減するためにもグルタミンが役立つのです。
胃腸機能の活性化
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グルタミンには、胃腸の機能を活性化させる作用があります。
- 小腸のエネルギー源になる。
- 消化管粘膜の成分(ムコたんぱく質)の生成を促す。
胃腸の機能を活性化させることができれば、食事やサプリメントからの栄養素を”栄養として”活用できることになります。栄養を吸収できないことによる体のだるさや体調不良を防げるのです。
新陳代謝の促進
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体内の遊離アミノ酸の約60%を占めているのがグルタミンです。
トレーニングや仕事(もしくは勉強)などによる、肉体的・精神的ストレスによって「大量に消費されてしまう」という特徴があります。
グルタミンは核酸の原料となるアミノ酸です。
核酸が不足し始めると、新陳代謝がスムーズに行われなくなり、老化が進むことがわかっている。
引用元:日本サプリメント協会『サプリメント健康バイブル』P158より
核酸の合成料は年齢と共に減少していきます。
原料となるグルタミンが不足してしまうことで「新陳代謝の低下に拍車をかけてしまう」ことにもなりかねません。
新陳代謝が低下してしまうということは「老化を早めてしまう」ということになります。筋トレの有無に関わらず、(肉体的・精神的ストレスが大きいのであれば)積極的に補っておきたいアミノ酸だといえます。
まとめ
特に、トレーニングに伴う免疫力の低下やコンディションの低下を予防するためには効果的なサプリメントであるといえます。
必要不可欠なサプリメントではありません。
しかし、コンディションを崩さずにベストの状態でトレーニングスケジュールを消化していくためには「あれば便利なサプリメント」であることは事実です。