筋トレにウォーミングアップが必要な理由。トレーニングの質に影響。

筋トレには、ウォーミングアップが必要です。

ウォーミングアップの目的は、主に2つです。
ひとつめが「(メインセットの)パフォーマンスを向上させること」であり、ふたつめが「フォームの確認」になります。

  • パフォーマンスの向上
  • フォームの確認

ウォーミングアップを疎かにする人は少なくありません。
しかし、ウォーミングアップを疎かにすると「実力を発揮できなくなってしまいます」ので注意が必要です。

パフォーマンスの向上

ウォームアップを怠ると、パフォーマンスが低下します。

筋トレのポイントは、「全力を出すこと」です。
しかし、ウォームアップを怠る(筋温を適切に上昇させない)と、筋肉の最大出力が低下することになります。

辛いだけで、効果のない筋トレになってしまうのです……。

これは、体の化学反応には温度依存性があるためです。
筋温(筋肉の中の温度)が40度前後まで上昇すると、生体反応の速度が高くなり、パフォーマンスを最大限に発揮できるようになります。

【補足】直腸温度(深部体温)が37.8℃になると、身体的パフォーマンスが(平常時よりも)30%ほど向上することが確認されています。

筋温は、軽い運動で上げることがポイントです。
外部から温めても深部体温まではなかなか温まりませんし、お風呂(入浴)などでは副交感神経などに働きかけてしまう可能性があるためです。

フォームの確認

筋トレでは、基本動作を心がける必要があります。
他人と競争したり、重さや回数を意識しすぎると「代償動作(別の動作や別の筋肉で補う動作)」で補おうとします……。

代償動作を行うと、鍛えたい筋群への負荷が軽減されてしまうのです。

ウォーミングアップは、フォームの確認もかねてします。
ウォーミングアップセット(メインセットの50~70パーセント程度)を設けることで、メインセットでのフォームの安定につながります。

特に、慣れない種目の場合には「フォームのポイントを押さえておくこと」が大切な条件となります。

小脳による運動調節機能と運動学習機能

筋肉は、脳からの信号によって動いています。

慣れない動作は、とてもぎこちないものです。
しかし、反復練習を繰り返すことによって、一連の動作を滑らかに連続的に行えるようになっていきます。

その理由が、小脳での運動記憶です。
小脳には運動調節機能と運動学習機能があり、運動特有の筋肉の使い方を記憶させておくことによって、記憶された動作が自動機に処理できるようになります。

無意識に一連の動作が行えるようになるということです。

フォームの反復練習が必要な理由もここにあります。
正しいフォームを反復しておくことで、「正しい動作を脳に記憶させること」や「フォームの改善(運動動作のアップデート)」が可能となるわけです。

【補足】大脳で形成される運動の意志は、運動野で分配され、錐体路を通ってそれぞれのα運動ニューロンに伝わります。小脳と大脳の情報のやり取りは、錐体路の途中にある橋を通じて行われます。

まとめ

筋トレには、ウォーミングアップが必要です。
ウォーミングアップの目的は主に「筋温を上げる」ことと「フォームを確認する」ことであり、トレーニング効果に大きな影響力を与えます。

  • 筋温を上げる
  • フォームを確認する

筋温を上げなければ本来の実力を発揮できませんし、フォームを不安定であれば代償動作で補おうとしてしまいます。……不安定なフォームは、怪我の誘発に直結してしまいます。

ウォーミングアップを怠ってしまうと、トレーニングの質が著しく低下してしまいますので注意してください。

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