筋肥大と除脂肪の両立は可能です。
しかし、「どのレベルまでであれば両立が可能なのか?」に関しては、遺伝的要因に大きく左右される問題となります。

また、どちらかを優先させた方が圧倒的に効率的だという事実もあります。

基本的に、筋肥大と除脂肪は分けて考えるべきです。
効率的に筋肉を増やすためには「同時に体脂肪も増えます」し、効率的に体脂肪を減らすためには「同時に筋肉も減る」のが自然な反応です。

以下、詳細を説明していきます。

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優先順位の明確化

ボディメイクは、優先順位を明確にすることがポイントです。

筋トレダイエットでは、目標に向かって一直線に進むことはできません。
筋肉をつけるためには「オーバーカロリー」が必要不可欠であり、体脂肪を減らすためには「アンダーカロリー」が必要不可欠です。

  • 筋肥大:オーバーカロリー
  • 除脂肪:アンダーカロリー

数ヶ月間で「痩せてムキムキになる」というのは、あり得ません。

これらのことからも、減量期には「なるべく筋肉を減らさないように体脂肪を減らし」、増量期には「なるべく体脂肪を増やさないように筋肉を増やす」ことで、徐々に理想のカラダに近づけていくことになります。

「三歩進んで二歩下がる」ようなイメージです。

筋肥大優先のメリット

筋肥大を優先させることには、2つのメリットがあります。
ひとつめが「基礎代謝が増えることでダイエットがスムーズになる」ことであり、ふたつめが「筋トレのモチベーションを保ちやすい」ことにあります。

  • 基礎代謝の向上:筋肉1kgあたり約50kcal/day
  • 筋トレ効果:筋力(記録)の向上

しかし、現状よりも体脂肪が増えることは避けられません。
もし、「早い段階で見た目の変化を実感したい」「健康面で痩せる必要がある」などの理由があるのであれば、除脂肪を優先させることをおすすめします。

除脂肪優先のメリット

除脂肪を優先させることにもメリットがあります。

最大のメリットといえるのが、「見た目の変化」です。
筋肥大には時間がかかりますが、除脂肪には(筋肥大ほどの)時間はかかりません。……数週間から数ヶ月後には劇的な変化を体感できているはずです。

また、(遺伝的限界とはほど遠い状態にある)筋トレ初心者の場合、アンダーカロリーであっても多少の筋肥大は可能です。

注意点としては、過度な変化を期待をしてはいけないことです。
一部の情報発信者の中には「劇的な変化をアピール」していることがありますが、不自然な効果には必ず裏がありますので注意してください。

イギリスで入手したステロイドビルダーの年間の体重と体脂肪率の推移を示したデータを見ると、体重がみるみる増え、体脂肪率はどんどん減っていくということが起こっています。これは普通の体では起こらない。

引用元:石井直方[著]『石井直方のトレーニングのヒント』P203より

減量期に大幅な筋肥大が起こることはありません。
もし、「短期間での大幅な筋肥大と除脂肪」「一定レベル以上の人が短期間で(不自然なほどに)成長している」などの変化が見られる場合、疑うことも必要です。

とはいっても、一般的な視点での「それなりに筋肉質な見た目」くらいであれば、十分に実現可能な範疇でもあります……。

両立を目指すことのデメリット

両立を目指すことのデメリットは、「中途半端になりやすい」ことです。

筋トレ初心者の場合、筋肥大と除脂肪の両立が可能です。
しかし、一定のレベルに到達した時点で「筋肥大もしなければ除脂肪も進まない」という状態になります。

筋肥大と除脂肪、両者共に停滞してしまうのです。

このレベルからの更なる成長には、「減量をするのか? 増量をするのか? をはっきりさせて、最後までやり抜くこと」が重要になってきます。

ピリオダイゼーション(トレーニングの期分け)をはっきりさせて、中長期的な戦略という観点でのトレーニングや食事管理が必要なのです。

まとめ

筋肥大と除脂肪の両立は、可能です。
しかし、遺伝的要因に大きく左右される問題であるため、「どのレベルまでであれば両立が可能なのか?」には個人差があります。

基本的には、どちらかに焦点を絞るべきです。

筋肥大と除脂肪は、相反する作用です。
「(短期間のうちに)筋肉が大きく増えて体脂肪が多きく減る」……というのは、普通の体では起こりません。

不自然なビフォーアフターや、不自然な論理には十分に注意することをおすすめします。

筋肉のつきやすさは、遺伝によって左右されます。 もちろん、「素質がなければ筋肉をつけられない」というわけではありませんが、「素質がある人に比べて時間がかかる」というのは事実です。