筋トレ(筋肥大)とダイエットの両立は可能です。
しかし、おすすめはしません。
習慣的なトレーニングをしていない人の場合、一定のレベルまでであればダイエットをしながらでも筋肉をつけることができます。
しかし、良くて微増、多くは現状維持となるはずです。
基本的に、筋肥大とダイエットは分けて考えます。
筋肥大には「エネルギー収支のプラス」が必要であり、ダイエット(体脂肪を落とす)には「エネルギー収支のマイナス」が必要です。
両者は、相反する作用だということです。
優先順位を明確化する必要性
目的(優先順位)を明確にしておくことがポイントになります。
筋肥大とダイエットは、(基本的には)両立できません。
筋肥大効率を良くするためにはオーバーカロリーが必要となりますし、ダイエット効率を良くするためにはアンダーカロリーが必要となります。
ボディメイクを成功させるためには、優先順位を明確にしておくことです。
- 筋肥大:エネルギー収支のプラス
- ダイエット:エネルギー収支のマイナス
テレビや雑誌の情報に惑わされないでください。
「痩せながらムキムキになる」ような筋肥大とダイエットの両立は、多くの場合「遺伝子的に不可能(関連記事:筋トレ効果の遺伝的要因)」なことなのです。
イギリスで入手したステロイドビルダーの年間の体重と体脂肪率の推移を示したデータを見ると、体重がみるみる増え、体脂肪率はどんどん減っていくということが起こっています。これは普通の体では起こらない。
引用元:石井直方[著]『トレーニングのヒント』P203より
これらのことからも、増量期と減量期を設けることになります。
増量期には「筋肉を大きく増やし、体脂肪を小さく増やす」、減量期には「筋肉を小さく減らし、体脂肪を大きく減らす」ことで、理想とする体へと近づけていきます。
「三歩進んで二歩下がる」ようなイメージです。
筋肥大を優先することのメリット
筋肥大を優先させることには、2つのメリットがあります。
ひとつめが「基礎代謝が増えることでダイエットがスムーズになる」ことであり、ふたつめが「筋トレのモチベーションを保ちやすい」ことです。
- 基礎代謝の向上:筋肉1kgあたり約50kcal/day
- 筋トレ効果:筋力(記録)の向上
しかし、体脂肪が増えることは避けられません。
もし、「早い段階で見た目の変化を実感したい」「健康面で痩せる必要がある」などの理由があるのであれば、ダイエットを優先させることをおすすめします。
ダイエットを優先することのメリット
ダイエットを優先させることにもメリットがあります。
最大のメリットといえるのが、「見た目の変化」です。
筋肥大には時間がかかりますが、ダイエットには(筋肥大ほどの)時間はかかりませんので、やる気を維持しやすいというメリットを持ちます。
早ければ、数週間で効果を実感できるはずです。
また、多少ではありますが、筋肥大も起こります。
トレーニング習慣のなかった人が筋トレダイエットに取り組むと、「痩せてメリハリのある体」になれる可能性があるのです。
両立を目指すことのデメリット
両立を目指すことのデメリットは、「中途半端になりやすい」ことです。
筋トレ初心者の場合、筋肥大とダイエットの両立が可能です。
しかし、一定のレベルに到達した時点で「筋肥大もしなければダイエットも進まない」という状態になりやすくなります。
筋肥大とダイエット、両者共に停滞してしまうのです。
このレベルからの更なる成長には、「減量をするのか? 増量をするのか? をはっきりさせて、最後までやり抜くこと」がポイントになってきます。
両立の可能なレベルには個人差があります。
もし、数ヵ月単位での体の変化が見られなければ「筋肉を付けたいのか?」「痩せたいのか?」をはっきりさせる必要があります。
まとめ
筋肥大と除脂肪の両立は、可能です。
しかし、遺伝的要因に大きく左右される問題であるため、「どのレベルまでであれば両立が可能なのか?」には個人差があります。
基本的には、どちらかに焦点を絞るべきです。