筋トレ効果は、年齢に影響を受けます。

高齢になってからでも、筋肥大は可能です。
しかし、「筋繊維が一定レベル以上には大きくならなくなる」「回復力が低下する」などの理由から、大きな変化は得られにくくなっていきます。

また、筋肉にはマッスルメモリーと呼ばれる仕組みがあります。
トレーニングによって増えた核は、(トレーニングを中断して)筋肉が委縮してしまった後でも減ることはありません。

核の支配領域は確保され続けるのです。

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加齢と筋サテライト細胞

筋肥大は、サテライト細胞が融合することで行われます。

筋繊維を構成している筋細胞は、複数の核を持つ多核細胞です。
このような多核の細胞には「細胞分裂が起こらない」という特徴がありますので、筋肥大のためには「外部からの核の供給」が必要になります。

この核の供給を行っているのが、筋サテライト細胞です。

しかし、筋サテライト細胞の増加機能は、加齢によって衰えていきます。
年齢を重ねるほどに「筋肥大が起こりにくくなる」「筋繊維の受けたダメージが回復しにくくなる」などの現象が起こりやすくなるのはこのためです。

【補足】100歳以上の高齢者でも筋肥大は可能です。しかし、新たな核の供給によって筋肥大しているというよりは、(ほぼ)既存の核の「核支配領域」のみの肥大となります。……これに関しては、マッスルメモリーの項にて詳しく説明します。

加齢によって衰えるもの

加齢によって、筋肉が衰えます。
これには、「運動習慣の低下」「各種ホルモン(アナボリックホルモン)分泌量の低下」など、様々な要因が関与しています。

意識的な筋トレなしに、筋量の減少を阻止することはできません。

20歳代で、男性が40パーセント、女性が35パーセント。それが30歳くらいから徐々に減りはじめ、70歳代で約3分の2になります。

引用元:石井直方[著]『一生太らない体のつくり方』P38より

筋肉は、1kgあたり約50kcal/dayのエネルギー消費に影響を与えます。

「その程度なら問題ないのでは?」と思うかもしれません。
しかし、1日50kcalのエネルギー消費が少なくなるということは、1年に換算すると約2.53kgもの体脂肪が増える計算になります。

中年太りというものは、足音を立てずに近づいてくるのです……。

マッスルメモリー(筋の記憶)

過去の筋トレ経験が無駄になることはありません。

「筋トレは止めてしまうと無駄になる」と考える方は少なくありません。
しかし、一度増えた(筋繊維の)核が減少することはありませんので、核の支配領域は維持されることになります。

そして、一度トレーニングで増加した筋繊維の核はその後、不活動で筋肉が萎縮してもほとんど減少しないことが報告されています(Bruusgaard ら、2008)。

引用元:谷本道哉[著]石井直方[監]『スポーツ科学の教科書』P128より

筋トレ経験は、生涯にわたって筋肉への影響力を持ちます。
もし、「中年になっても良い体でいたい」「老後も動ける体を維持したい」などの気持ちがあるのであれば、若く時間のあるうちに体をつくっておくことをおすすめします。

ただし、半年以下のトレーニングでは疑問符がつきます。
筋繊維の核を増やすためには、「既存の核支配領域では限界となるレベル」までの筋肥大が必要となりますので、それなりの時間がかかります。

目安としては、筋肉を10%前後以上太くすること。
このくらいのレベルになると、既存の核支配領域では筋肉を肥大させることができなくなっていき、核が増えていきます。

過去の筋トレ経験は、無駄にはなりません。 筋肉は与えれれた負荷に応じて成長(筋肥大)します。 当然、筋トレを止めてしまえば萎縮してしまうことになるのですが、一度鍛えられた筋

まとめ

年齢は、筋トレ効果に大きな影響力を持ちます。
「歳をとったら筋肥大しない」というわけではありませんが、筋肥大に重要な筋サテライト細胞の増殖機能が減弱していくことは事実です。

また、何もしなければ、筋肉は加齢によって衰えていきます。
筋肉には1kgあたり約50kcal/dayのエネルギー消費がありますので、筋肉が減るということは体脂肪が増えることに直結してしまうのです。

しかし、筋肉にはマッスルメモリーと呼ばれる仕組みがあります。
一定レベル以上に鍛えられた筋肉には「生涯にわたって筋肉が大きくなりやすい」という仕組みを持つことになります。

過去のトレーニング経験が無駄になることはありません。