続かない筋トレでも効果あり。ディトレーニングのメリット。

筋トレが続かなくても気に病む必要はありません。

筋トレを習慣化させるのは難しいものです。
2~3日は頑張れても、一度サボってしまうと「そのままズルズルとフェードアウトしてしまう」ことは珍しくない話ですよね?

しかし、筋トレは継続することよりも再開することが重要です。
以下、「筋トレは続かなくても大丈夫」だといえる、いくつかの根拠を説明していきます。

サボることによるトレーニング効果

トレーニングをしない期間があっても、トレーニング効果は変わりません。

トレーニングを中断してしまうことをディトレーニングといいます。
まじめな(几帳面な)性格の人ほど「ディトレーニング=悪」だと捉えてしまう傾向にありますが、決してそんなことはありません。

ひとつのグループは75%1RMという設定で週2回、しっかりとトレーニングをします。もうひとつのグループは同じ負荷で6週間トレーニングした後、3週間休むというパターンを繰り返します。これを半年間続けました。すると—。
トレーニング効果は、ほとんど同じでした。

引用元:石井直方[著]『石井直方のトレーニングのヒント』P186より

半月以上休んでも、トレーニング効果は変わらないということです。

「そもそも、6週間も続かないよ」・・・と思われるかもしれません。
しかし、トレーニング初期であっても「1週間ほどのディトレーニングは(長期的な)トレーニング効果に影響を与えない」ことも確認されています。

続かないのであれば、(何度でも)はじめればいいのです。

サボることによる筋肉の質

適度な休息期があることで、瞬発力を高めることができる可能性があります。

筋繊維には、大きく分けて速筋繊維(FT=fast twitch)と遅筋繊維(ST=slow twitch)があります。瞬発力に優れている筋繊維が速筋繊維で、持久力に優れているのが遅筋繊維です。

  • 遅筋繊維(ST)=タイプⅠ
  • 速筋繊維(FT)=タイプⅡa、タイプⅡx、タイプⅡb

タイプⅠとタイプⅡの間での移行が起こるのかは分かっていません。
動物実験では「Ⅰ型とⅡ型でのシフトが起こる」ことが確認されていますが、現時点では「ヒトのカラダで同様の変化が起こるのかは分からない」というのが正しい表現となります。

しかし、(速筋繊維の中で)持久力に優れているⅡaから瞬発力に優れているⅡxへの変化が起こることは確認されています。

ⅡaではなくⅡxを増やそうと思ったら、サボるという戦略があります。筋肉を使わなければⅡxが増えていくということは、実験によって証明されているのです。

引用元:石井直方[著]『石井直方の筋肉の科学』P66~67

もちろん、サボればサボるほど良いというわけではありませんが、適切なディトレーニングによって「(筋肉を増やしながら)持久力と瞬発力の共存した筋肉を作れる可能性がある」ということになります。

「サボってしまった(続かない)」と「ディトレーニング(計画的な休息期)」は、同じ行動でありながらも意味合いは180度違います。であれば、たとえサボってしまったとしても「有意義なサボり」だと解釈すればいいのです。

筋の記憶

筋肉には、マッスルメモリー(筋の記憶)という仕組みがあります。
一度鍛えられた経験を持つ筋肉(筋繊維)は、トレーニングを再開することで「元に戻りやすい」という特徴を持つことになります。

マッスルメモリーを体感できるようになるためには、筋肉を10パーセント以上太くする必要がありますので、最低でも半年以上のトレーニング経験が必要です。

並大抵の努力ではありませんが、経験することがポイントです。

長い人生、幾度となく「筋トレが続かない(続けられない)」という時期が訪れるはずです。であれば、時間に余裕のある時期(期間)には、「積極的にカラダを作っておく」ことをおすすめします。

「筋トレ経験が無駄になることはない」ということを知っていれば、モチベーションを保つことは難しくないはずです。

マッスルメモリーの仕組み。過去の筋トレ経験は無駄にはならない。

まとめ

筋トレは続かなくても大丈夫です。

サボってしまったことを、ネガティブに捉えるのだけは止めてください。
続かないことをディトレーニングだと解釈すれば、1~3週間ほどの休息期は(長期的な)トレーニング効果に悪い影響を与えることはありません。

ポイントは、再開することです。
続かないからといって諦めてしまうのではなく、続かなかったのであれば「再開する(リスタートする)」ことを心がけてください。

ディトレーニングの期間にもよりますが、継続していた場合とディトレーニングを取り入れていた場合とでは、最終的なトレーニング効果に大きな違いは生まれません。

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