筋トレの呼吸方法。基本的には止めることをおすすめしない理由。

筋トレには、正しい呼吸法があります。
それが、「負荷を上げるときには息を吐く」「負荷を下げるときには息を吸う」という呼吸法です。

息を止めた方が力が出ます。
これは「怒責(どせき)」と呼ばれるテクニックであり、大きく息を吸い込んでから止めることで息を吐くよりも体幹を硬くすることができるためです。

しかし、怒責はおすすめしません。
一般レベルでの筋トレ(ボディメイクや健康目的での筋トレ)の範疇であれば、デメリットがメリットを上回ってしまうことになります。

怒責による血圧の上昇

怒責をすると、血圧が高くなります。
「腹圧を上げる=血圧が高くなる」ということになりますので、普段から血圧が高い人の場合には「必ず呼吸を止めずに行う」ことがポイントです。

しかし、筋トレが血圧を高めるわけではありません。

安静時の血圧は、むしろ低下します。
これは「新しい毛細血管ができる」「平常時に副交感神経が優位になりやすくなる」などの理由からであり、安静時の血圧は下がる傾向を示します。

【補足】血圧を下げることが目的なのであれば、筋トレよりも有酸素運動をおすすめします。筋トレにも血圧を下げる効果はありますが、積極的な効果を期待するのであれば持久的な運動によって抹消抵抗を下げる方が確実な効果があります。

また、筋トレ初心者ほど、怒責は避けるべきです。
トレーニング初心者の場合には「血管ができあがっていない」ために、トレーニング上級者以上にデメリットが大きくなります。

筋トレを続けていくと、血管が硬くなる傾向を示します。

動脈硬化とは仕組みが違います。
動脈硬化はコレステロールなどが付着して硬くなるものですが、怒責によって動脈が硬くなるのは「壁そのものが厚くなる」ことによるものです。

この場合の動脈の硬さには「大きな問題はない」と考えられています。

怒責による心臓や血管の変化

怒責を続けていると、心臓や血管が変化します。
胸部内圧の上昇や抹消抵抗の増加を繰り返していくと「心臓の壁が厚くなる」「血管が硬くなる」などの変化が確認されています。

  • 心臓:心不全や心筋梗塞のリスク
  • 血管:血圧の上昇?

血管に関しては、前項で説明したとおりです。

問題は「心臓の壁が厚くなる」ことです。
若く健康なうちは問題になりにくいのですが、高齢になるほどに酸欠になりやすくなったり心不全や心筋梗塞のリスクを高めると考えられています。

基本的には「怒責をしない」ことをおすすめします。

まとめ

呼吸は、上げるときに吐き下げるときに吸います。

呼吸を止めると筋力が向上します。
これは怒責(どせき)と呼ばれるテクニックですが、怒責を続けていると「心臓や血管に変化が生じる」ことが確認されていますので、おすすめはできません。

「怒責をするのか?」に関しては、長期的な視点で判断してください。

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