食品による脂肪酸の違い。主な脂肪酸を主成分とする食べ物一覧。

脂肪酸は、(飽和度の違いによって)飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けることができます。
さらに炭素鎖中に1個の二重結合をもつ脂肪酸が一価不飽和脂肪酸、2個以上の二重結合をもつのが多価不飽和脂肪酸です。

  • 飽和脂肪酸
  • 不飽和脂肪酸
    • 一価不飽和脂肪酸
    • 多価不飽和脂肪酸
      • n-6系脂肪酸
      • n-3系脂肪酸

シンプルに説明するなら、上記のようになります。

しかし、食品は複数(多種類)の脂肪酸によって構成されています。
たとえば、オレイン酸(一価不飽和脂肪酸)で有名なオリーブオイルであれば、飽和脂肪酸が14%、一価不飽和脂肪酸が77%、多価不飽和脂肪酸が9%といった具合です。

以下、主要な脂肪酸と食品について説明していきます。

飽和脂肪酸

飽和脂肪酸は、肉類や乳(乳製品)の脂肪に多く含まれている脂肪酸です。

  • 不飽和脂肪酸
    • パルミチン酸:豚脂、牛脂など
    • ステアリン酸:豚脂、牛脂など
    • ミリスチン酸:豚脂、牛脂など
    • ラウリン酸:ヤシ油(ココナッツオイル)など

動物性脂肪酸(豚脂、牛脂など)にはステアリン酸、パルミチン酸、ミスリン酸が多く含まれており、植物性脂肪酸(ココナッツオイルなど)にはラウリン酸が多く含まれています。

不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸は、植物油や魚油に多く含まれている脂肪酸です。

  • 一価不飽和脂肪酸
  • 多価不飽和脂肪酸
    • n-6系脂肪酸
    • n-3系脂肪酸

不飽和脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けることができますので、以下、それぞれの不飽和脂肪酸についての説明をしてきます。

一価不飽和脂肪酸

一価不飽和脂肪酸といえば、オレイン酸です。

  • 一価不飽和脂肪酸
    • オレイン酸:オリーブオイル、キャノーラ油など

オリーブオイルの主成分となるオレイン酸には、HDL-コレステロール(善玉脂肪酸)を下げずに総コレステロールを下げるという働きがあります。

多価不飽和脂肪酸

多価不飽和脂肪酸は、n-6系脂肪酸とn-3系脂肪酸に分けられます。
n-6系脂肪酸は一般的な植物油、n-3系脂肪酸は魚油やエゴマ油などに含まれています。

  • 多価不飽和脂肪酸
    • n-6系脂肪酸
      • リノール酸:サフラワー油、ひまわり油、ごま油など
      • γ-リノレン酸:月見草油、母乳など
      • アラキドン酸:レバー、卵白、サザエなど
    • n-3系脂肪酸
      • α-リノレン酸:しそ油、えごま油、亜麻仁油など
      • DHA(ドコサヘキサエン酸):ホンマグロ、ブリ、サバ、サンマなど
      • EPA(エイコサペンタエン酸):ハマチ、マイワシ、サンマなど

n-3系脂肪酸に心疾患やアレルギーを予防する働きがある一方、n-6系脂肪酸には(過剰摂取によって)動脈硬化やアレルギー疾患を悪化させるという働きがあります。

まとめ

ここまで、食品に含まれる脂肪酸の種類についてまとめてきました。

大まかにまとめるのであれば、「飽和脂肪酸=動物性脂」「一価不飽和脂肪酸=オリーブオイル」「n-6系脂肪酸:一般的な植物油」「n-3系脂肪酸=魚油、一部の植物油」ということになります。

注意点として、脂肪酸には「飽和度が低いほど劣化しやすい」という特徴があります。不飽和脂肪酸に分類されるオイルを購入する際は、新鮮で信頼できるオイルを選ぶことがポイントになります。

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