食物繊維の種類(分類)をまとめる。腸内細菌と共生していくために。

食物繊維の定義は、「ヒトの消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体」です。主に、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2つに分類することができ、植物性、動物性、人工物の3種類の由来があります。

  • 食物繊維
    • 不溶性食物繊維
      • 植物性
      • 動物性
    • 水溶性食物繊維
      • 植物性
      • 動物性
      • 人工物

「食物繊維にはカロリーがない」というのは、嘘です。
実際には腸内細菌によって分解されて大腸から吸収されますので、(個人の)腸内細菌叢の構成にもよりますがエネルギーとなる栄養素です。

以下、2つの食物繊維について詳しく説明していきます。

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不溶性食物繊維

不溶性食物繊維は、水に溶けない食物繊維です。
大腸で水を吸収することで便のカサ増しになり、排便を促すことによって「便の腸内通過時間を短縮する」というメリットがあります。

  • 不溶性食物繊維
    • 植物性
      • セルロース
      • リグニン
      • アガロース、アガロペクチン
    • 動物性
      • キチン、キトサン
ペクチンは水溶性の食物繊維ですが、果物の中にあるときは「不溶性のプロトペクチンの形態であることが多い」という特徴を持ちます。

不溶性食物繊維は、腸内細菌叢による発酵性の低い食物繊維です。
pHを下げて腸内環境を整えるという効果はありません。

また、腸管機能が衰えている際に過剰摂取すると、腸に負担をかけてしまうことになります。便秘解消のために食物繊維の摂取量を増やすこともあるかと思いますが、「食物繊維=便秘の改善」という単純な話ではありません。

水溶性食物繊維

水溶性食物繊維は、水に溶ける食物繊維です。

血糖値の急激な上昇を防いだり、血中コレステロール値の上昇を抑制する働きがあります。これは、水溶性食物繊維には、「糖質の消化速度を遅らせる」「ミセル形成を阻害する」などの働きがあるためです。

ミセル形成とは、脂質が胆汁酸塩などによってくるまれ、小腸上皮細胞から吸収されやすい形になることを指します。
  • 水溶性食物繊維
    • 植物性
      • ペクチン
      • グアーガム
      • イヌリン
      • グルコマンナン
      • アルギン酸ナトリウム
    • 動物性
      • コンドロイチン硫酸
    • 人工物
      • 難消化性デキストリン
      • 糖アルコール

水溶性食物繊維は、腸内細菌による発酵性が高く、腸内pHを低下させて腸内環境を整えるという作用があります。また、便秘解消を目指すのであれば、水溶性食物繊維を積極的に摂取するべきです。

まとめ

食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があります。
前者には「便をカサ増しすることによる大腸滞在時間の短縮」、後者には「糖やコレステロールの排泄を促す」などの作用があります。

また、食物繊維(特に水溶性食物繊維)は、腸内細菌によって短鎖脂肪酸に代謝されます。これによって腸内環境が酸性に傾き、乳酸菌やビフィズス菌の増えやすい環境へと整えます。

しかし、腸管機能が衰えているとき(慢性的な便秘に悩まされているとき)に不溶性食物繊維を積極的に摂取してしまうと、便秘を悪化させてしまうことにつながりますので注意が必要です。