RMとは、レペティションマキシマム(Repetition Maximum)の略です。
1回しか挙上する事のできない重さを1RM(100%1RM)と表し、マックス重量の80%であれば80%1RMのように表されます。
たとえば、「筋トレは10回3セット実施しなさい」と言われることが多いかと思いますが、重要なのは10回という回数ではなく「最大反復回数が10回前後となる70~80%1RMという負荷」であることが真意となります。
RMとは、トレーニング強度の設定に必要な実用的な基準なのです。
RMの違いによるトレーニング効果
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トレーニング効果は、負荷によってコントロールされます。
90%1RM以上のトレーニングであれば筋力向上、70~80%1RMであれば筋肥大、65%1RM以下であれば筋持久力の向上といった具合です。
- 90%1RM以上:神経系の発達
- 70~80%1RM:筋肥大
- 65%1RM以下:筋持久力の向上
この仕組みを理解していると、「自重トレーニングでは筋肥大できないのか?」という疑問が解決します。
筋肉を大きくする決定要因は、負荷です。つまり、器具を使わずに筋肉を大きくするには限界があるということです。
引用元:石井直方[著]『筋肉まるわかり大事典』P113より
一定レベルまでであれば自重トレーニングでも筋肥大します。
しかし、すぐに筋肥大に効果的な70~80%1RMのゾーンを外れて筋持久力の向上にシフトしていきます。不可能ではありませんが、無謀な挑戦だと言うことになります。
RMに対する反復回数
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RMと反復回数には、相関関係があります。
1RMに対する割合と反復回数には大きな誤差が生じてしまうのですが、おおよその目安として以下の換算表が用いられています。
- 100%1RM:反復回数1回
- 90%1RM:反復回数4回
- 80%1RM:反復回数8回
- 70%1RM:反復回数12回
- 60%1RM:反復回数20回
このことからも、筋肥大に効果的な負荷は70~80%1RMであり、その負荷は反復回数8~12回に相当することがお分かりいただけるかと思います。
(限界回数まで反復していると仮定するならば)反復回数とトレーニング効果は以下のような関係性を持ちます。
- 4回以下:神経系の発達
- 8~12回:筋肥大
- 18回以上:筋持久力の向上
いずれにしても「限界まで反復している」ことが前提条件となります。
「10回反復する」という意識ではなく、「10回しか反復できない負荷でトレーニングをする」という意識を持つことがポイントです。
まとめ
トレーニング効果や反復回数の目安を知るための重要な指標となります。
「反復回数8~12回のトレーニングが最も筋肥大に適している」というのは紛れもない事実ですが、トレーニング効果を実感できないのであれば「本当に8~12RMでのトレーニングができているのか?」を見直してみる必要があります。
基礎的な内容にはなりますが、何らかの参考になれば幸いです。