短鎖脂肪酸の種類。代表的な3つの有機酸による働きや特徴。

短鎖脂肪酸とは、炭素鎖の短い脂肪酸です。
いくつかの脂肪酸を総称して、短鎖脂肪酸と呼んでいます。

そして、ヒトにかかわり合いの深い短鎖脂肪酸には、3種類の脂肪酸(有機酸)があります。

  • 酢酸
  • 酪酸
  • プロピオン酸

これらの有機酸は、腸内細菌(バクテロイデスなど)が食物繊維、レジスタントスターチ、オリゴ糖などを代謝することによってつくり出されます。

以下、3種類の短鎖脂肪酸について詳しく説明していきます。

酢酸

酢酸は、お酢の主成分となっている有機酸です。

2つの炭素原子をもつ飽和脂肪酸であり、高血圧、脂質代謝異常、高血糖などの改善効果が確認されています。お酢を摂取することが健康増進につながるのは、お酢の主成分が酢酸であるためです。

腸内細菌によって産生され、主に肝臓や筋肉組織に送られます。
その際、交感神経の受容体(センサー)が酢酸を感知すると、全身の代謝(エネルギー代謝)を活性化させる働きがあります。

酪酸

酪酸は、主に乳脂肪に含まれている有機酸です。

アレルギーや自己免疫疾患の予防や治療に、酪酸が効果的であることが明らかになってきています。これは、酪酸が免疫細胞のなだめ役であるTレグに働きかけることによるものです。

また、酪酸には「腸の粘膜細胞のエネルギーになる」「蠕動運動を促す」「ガン化した細胞のアポトーシス(細胞自死)を促す」などの作用もあります。

プロピオン酸

腸内細菌によってつくり出されたプロピオン酸は、腸内を酸性にすることで、病原菌の増殖を抑制する働きがあります。

そして、大腸から吸収されて肝臓で糖に変わることで、体のエネルギーとして使われます。その際、脂肪細胞の受容体(センサー)に働きかけることで「脂肪の合成が抑制される」ことが確認されています。

また、カルシウムなどの吸収を手助けすることも分かっています。

まとめ

代表的な短鎖脂肪酸には、酢酸、酪酸、プロピオン酸の3種類があります。
これらの有機酸は、外部から摂取することができますが、もっとも効果的なのは「腸内細菌によって産生されること」です。

短鎖脂肪酸は、腸内細菌(バクテロイデスなど)が、食物繊維、レジスタントスターチ、オリゴ糖などを代謝することによってつくり出される有機酸です。

プロバイオティクスとプレバイオティクス(またはバイオジェニックス)などを組み合わせることによって、腸内細菌叢(腸内フローラ)を整える。・・・腸活に取り組むことこそが、短鎖脂肪酸を増やすことにつながります。

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