クレアチンの効果は、筋トレに対してプラスに作用しします。
これは、(クレアチンを摂取することで)エネルギー代謝経路のひとつであるCP系(クレアチンリン酸系)の働きが円滑になるためです。
- 挙上回数が増える
- 最大筋力が向上する
以下、クレアチンの摂取によって、「なぜ挙重回数や最大筋力が増えるのか?」について具体的な仕組み(メカニズム)を説明していきます。
クレアチン貯蔵量
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クレアチンの摂取によって、筋肉中のクレアチン貯蔵量は10~20%ほど増加します。
クレアチンは、肉や魚の赤身に含まれているアミノ酸です。
しかし、肉や魚に含まれているクレアチンの含有量は少量であるため、筋肉中のクレアチン貯蔵量を増やすためにはサプリメントを利用するしかありません。
また、クレアチンはアミノ酸と定義はされていますが、カラダそのものを構成しているアミノ酸ではなく、その多くは骨格筋に含まれています。
ATPの再合成
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クレアチン貯蔵量が多いと、ATPの再合成が瞬時におこなわれるようになります。
運動時のエネルギー(筋収縮に必要なエネルギー)は、筋肉に貯蔵されているATP(アデノシン三リン酸)をADP(アデノシン二リン酸)とPi(リン酸)に分解することで得られるエネルギーが使われています。
ATP(アデノシン三リン酸)→ADP(アデノシン二リン酸)+Pi(リン酸)+エネルギー
しかし、筋肉中に含まれるATPは、微量です。
運動(筋収縮)を続けるためには、新たにATPを産生していく必要があります。
そして、エネルギーの産生経路には、CP系、解糖系、酸化系の3種類があり、CP系にはハイパワー、解糖系にはミドルパワー、酸化系にはローパワーという目的に応じた特徴を持っています。
- 無酸素性
- CP系(クレアチンリン酸系)
- 解糖系(無酸素的解糖系)
- 有酸素性
- 有酸素系(酸化系)
筋トレに利用されるのは、主にCP系です。
ATPが分解されてエネルギーを発生させるとADPができますが、CPによりこのADPは瞬時にATPに再合成されます。しかしながら、CPの量は少ないため、短時間の運動しか持続できません。
引用元:中屋豊[著]『よくわかる栄養学』P302より
クレアチンは、ATPがADPとPiに分解した際のPi(リン酸)と結合することにより、CP(クレアチンリン酸)となります。クレアチンリン酸は安定している物質であるため、エネルギーとして保存しておくことができます。
ATPが枯渇した際には、瞬時にATPへと再合成できるということです。
細胞エネルギーの補充能力
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細胞のエネルギー補充能力が高いと、筋力が高まります。
これは、筋肉の出せる力には、細胞のエネルギーを補充する能力の影響を強く受けることが関係しています。
筋内のクレアチンが飽和状態であることで、「ATP→ADP+Pi+エネルギー」によって消費されたATPを「クレアチン+Pi→CP(クレアチンリン酸)」「CP+ADP→ATP」という経路によって再合成することができます。
「ATPの再合成が円滑になる=エネルギー補充能力が高い」ということからも、クレアチンの摂取は筋力向上に影響を与えます。
まとめ
クレアチンは、効果的なサプリメントです。
多少乱暴ではありますが、「カフェインとクレアチン以外は無駄」だと主張する専門家もいるほどです・・・。
必要不可欠なサプリメントだというわけではありません。
しかし、特に高価なサプリメントではありませんし、健康上に問題のないサプリメントでもありますので、おすすめしたいサプリメントのひとつとなります。