ダイエットによる便秘には、多くの要因が関わり合っています。
主な要因として考えられているのが、「食物繊維の不足」「ストレスによる腸の機能低下」「腸内細菌叢(腸内フローラ)の乱れ」の3点です。
- 食物繊維の不足
- 精神的ストレス
- 腸内細菌叢(腸内フローラ)の乱れ
ダイエットによる便秘は複雑です。
食物繊維が不足すれば腸の機能低下(弛緩性便秘)が起こりますし、精神的ストレスを感じていれば結腸が緊張することによって起こる便秘(痙攣性便秘)の原因にもなります。
様々な原因が複雑に絡み合っているのが、ダイエットによる便秘なのです。
食物繊維の不足
◇
食物繊維の不足は、便秘の原因になります。
便は、ある程度の大きさにならなければ排泄されません。
食物繊維の摂取量が少なくなると、便のカサ増しとなる不溶性食物繊維が不足しますので、排泄されるまでに時間がかかることになります。
また、食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があります。
前者は主に野菜に含まれている食物繊維であり、後者は主に熟した果実や改装に含まれている食物繊維です。
- 不溶性食物繊維:吸水力が高く便の量を増やし腸壁を刺激する/li>
- 水溶性食物繊維:ゲル化して便を柔らかくする
食物繊維の摂取には、注意すべきポイントがあります。
慢性的な便秘の場合、不溶性食物繊維を摂りすぎてしまうと、便秘が悪化してしまうリスクがあります。
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維のバランスは、2対1が理想です。
なお、食物繊維の効果的な取り方は、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維をバランスよく取ること。「不溶性」対「水溶性」の摂取割合は「2対1」が理想です。
引用元:松生恒夫[著]『「排便力」が身につく本』P95より
摂取量も問題になります。
大量摂取してしまうと「便秘の悪化」や「ガスの大量発生」を引き起こしますので、目標摂取量20~25gを目標に、徐々に増やしていくことがポイントです。
精神的ストレス
◇
精神的ストレスは、便秘(または下痢)の原因になります。
- 結腸が緊張状態になる
- 腸内細菌叢が乱れる
腸の一部が痙攣してしまうことによって起こる便秘を「痙攣性便秘」と呼びます。
痙攣性便秘の主な原因は精神的ストレスであり、ダイエットという非日常的な環境下においては知らず知らずのうちにストレスになっている場合があります。
ストレスによって、便秘になるか下痢になるかは体質次第です。
ストレスが原因のおなかの問題でも、腸にあらわれる症状によって、下痢になる人と、便秘になる人とに分かれるということです。これは体質の違いとしか言えません。
引用元:水上健[著]『女はつまる、男はくだる』P38より
「ストレスが原因なのであれば、ダイエットは中止した方がよいのか?」・・・と考えられるかもしれませんが、腸内細菌叢(腸内フローラ)の乱れが精神的ストレスを助長している可能性もあります。
腸と脳が、密接に関わり合っていることを忘れてはいけません。
腸内細菌叢の乱れ
◇
腸内細菌叢(腸内フローラ)の乱れは、便秘の原因になります。
腸内細菌叢が乱れると精神状態も乱れます。
何気ないことにストレスを感じてしまったり、原因の分からないイライラに悩まされてしまう可能性があるのです。
腸内細菌叢(腸内フローラ)を整えるためには、バランスよく食物繊維を摂取することと、精神的ストレスを軽減させることが有効です。
「食物繊維が不足する&精神的ストレス→腸内細菌叢が乱れる→便秘になる→精神的ストレス→・・・」のような構図です。堂々巡りのようになってしまいますが、ダイエットによる便秘は、トータルで改善していくしかありません。
まとめ
主に「食物繊維の不足」「精神的、肉体的ストレス」「腸内細菌叢(腸内フローラ)の乱れ」などが複雑に絡み合って引き起こされます。
「ヨーグルトを食べれば改善される」
・・・というような単純は問題ではありませんので、ひとつずつ原因を潰していくことが改善への最短ルートだったりもします。
また、難しく考えすぎないこともポイントです。
脳と腸は密接に関わり合っていますので、悩めば悩むほど腸内細菌叢(腸内フローラ)は乱れていくことになります。