発酵と腐敗の違い。人間にとって有益であるか不利益であるか。

発酵と腐敗の違いは、人間に対して「有益か?」「不利益か?」の違いです。

発酵とは、微生物のはたらきによって有機化合物が変化する現象のことを指します。人間に対して有益なはたらきをすれば”発酵”であり、不利益なはたらきをすれば”腐敗”ということです。

以下、3つの観点からその根拠を説明していきます。

3種類の微生物

発酵や腐敗は、微生物によって行われます。
発酵(または腐敗)に関わる微生物は、カビ、酵母、細菌の3種類に分類することができ、いずれの微生物にも、人間に対して有益なものと不利益なものがあります。

  • カビ
  • 酵母
  • 細菌

しかし、人体に対して有害な微生物であっても、医薬品や化学原料をつくるためには必要不可欠な微生物も存在します。これらの微生物のはたらきも、広義では”発酵”ということができます。

味覚や嗅覚

味や臭いだけで、発酵と腐敗の線引きをすることはできません。

発酵では、微生物が(主に糖やタンパク質などから)独自のうま味をや香りなどを作り出します。腐敗では、微生物が(主にタンパク質やアミノ酸から)アンモニアや硫化水素などの不快な味や臭いを作り出します。

しかし、味覚や嗅覚が「不快だ」と感じる場合であっても、人間に対して有益な場合もあります。

有害微生物による発酵

人間に対して有益なものは”発酵”です。
発酵というと、多くのヒトは(食べ物にかかわる)アルコール発酵、酢酸発酵、乳酸発酵などをイメージします。

しかし、健康に有害な微生物であっても、発酵と定義されることがあります。

医薬品や工業製品には、数多くの微生物が利用されています。
それらの微生物によって生み出される物質は、人間の健康にとっては有害ですが、人間の生活には有益であるため”発酵”ということができるのです。

まとめ

発酵と腐敗の違いは、人間にとって「有益なのか? 不利益なのか?」の違いです。

たとえば、牛乳に乳酸菌を入れておけば乳酸発酵によってヨーグルトができますが、乳酸菌を入れずに放置すれば、空気中の微生物が繁殖することによって腐敗してしまいますよね?

牛乳の中で微生物が繁殖するということに変わりはありませんが、有益な微生物による発酵は健康に対してプラスに作用する一方、有害な微生物による腐敗は下痢や嘔吐などの食中毒を起こしてしまいます。

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