筋トレには、風邪を予防する効果があります。
しかし、トレーニング直後や過度なトレーニングには「免疫力を低下させてしまう」ことになりますので注意が必要です。
筋トレは、良くも悪くも免疫力に影響を与えます。
- 運動後から約24時間の免疫力低下
- 過剰なトレーニングによる免疫力の低下
疲労は免疫力を低下させます。
「本格的な運動をしている人ほど体調を崩しやすい」……というのは経験的に知っている人も少なくはないはずです。
風邪を予防するポイントは2点です。
「筋トレ後、約24時間は風邪の予防に慎重になること」「疲労の蓄積を防ぐためにも定期的なディトレーニングを取り入れること」がポイントです。
以下、詳細の説明をしていきます。
運動による免疫力低下の仕組み
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運動をすると、一時的に免疫力が低下します。
これは(免疫力の主役ともいえる)血液中の白血球が「ダメージを受けた各組織に集まるため」であり、病原菌の侵入を許してしまいやすい状況であるといえます。
適度な運動は免疫力を向上させます。
事実、過度なストレスや疲労の蓄積を考慮したトレーニング計画であれば「血液中の白血球が増えて免疫力が高まる」ことが確認されています。
- 適度な運動:免疫力向上
- 過度な運動:免疫力低下
適切な運動量には個人差があります。
同じトレーニング強度(または頻度)であっても違いがありますし、回復速度にも違いがありますので難しい問題でもあります。
過度な運動によるストレスホルモン
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運動をすると、ストレスホルモンが分泌されます。
主なストレスホルモンはコルチゾールです。
大きなストレス(過度な運動)や疲労の蓄積によって(ストレスホルモンである)コルチゾールの分泌が高くなります。
コルチゾールには「血液中の白血球を減らして免疫力を落とす」という作用がありますので、結果として風邪をひきやすくなります。
また、血液中の白血球が減少することには大きなデメリットがあります。
白血球には「ナチュラルキラー細胞」と言って、がん細胞やウイルス性感染細胞を見つけて殺す細胞も存在しています。この細胞が少なくなってしまうと、深刻な病気を引き起こすことにもなる。
引用元:石井直方[著]『石井直方の筋肉まるわかり大事典』P291より
運動は、「適度」であることがポイントです。
運動(筋トレ)は「(短期間のうちに)やればやっただけ効果が大きくなる」というものではありませんので、疲労の程度を見極める必要があります。
免疫力低下の判断基準
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疲労の蓄積や肉体的な回復速度には、大きな個人差があります。
誰にでも通用する具体例はありません。
しかし、肉体的なストレスは心理面にも大きな影響力を持ちますので、一般的には「楽しめているのか?」が判断基準に利用されています。
楽しめなくなってきたら、休むべきタイミングだということです。
筋トレ初期は、楽しいものです。
面白いように「使用重量が伸びていきます」し、体重・体脂肪率・皮下脂肪厚・ウエストサイズなども停滞することなく変化していきます。
これらの変化を楽しめなくなってきているのであれば、初期のオーバートレーニングを疑ってみる必要があります。
[keni-linkcard url=”https://www.qolfit.com/post-2173/”]免疫力の回復に要する時間
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筋トレ後の免疫力低下は、約24時間続きます。
これは激しい運動による免疫力の低下は「運動後約2時間で最低値まで低下し、約24時間後に元のレベルに戻る」というデータがあるためです。
このことからも、筋トレ後の約24時間には注意が必要です。
免疫力が低下しているということは「細菌やウイルスに対して無防備な状態」にあるということですので、(極力)人混みを避けるなどの対処が必要となります。
疲労の蓄積に関しては、難しい問題です。
知らず知らずのうちに「抜けにくい疲労」や「軽度のオーバートレーニング」になってしまっていることもあります。
そのような場合には、長期的なディトレーニングが必要となる場合もあります。
誤解されやすい体温の上昇
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基本的に、筋トレ後は体温が上昇します。
驚くほどに体温が上昇する(熱が出る)ことがあるため、「風邪を引いてしまった……」と勘違いすることも珍しくありません。
しかし、多くは代謝が活発化していることによるものです。
体温が上がり体がだるくなりますので風邪との見極めは難しいのですが、トレーニングをした日の夜に起こる発熱や体のだるさに関しては、風邪(ウイルスの感染)とは全くの別物ですので過度な心配はいりません。
翌朝には普段の体調に戻っているはずです。
まとめ
筋トレ直後は、免疫機能が低下します。
運動後約2時間で最低値まで低下し、回復までには約24時間かかることになりますので、トレーニング後は風邪予防に努める必要があります。
具体的には、「体を冷やさない」「人混みを避ける(マスクをする)」「しっかり食事をとる」「しっかり休息をとる」などがポイントになります。
体調を崩しやすくなってきた(風邪をひきやすくなってきた)と感じたら、無理をせずにディトレーニングを取り入れてください。適切なディトレーニングが、長期的なトレーニング効果に悪影響を及ぼすことはありません。