筋トレの回数は、負荷によって調節されます。
「何回やるのか?」ではなく「何回で限界になるような負荷設定をするのか?」という意識を持つことがポイントです。
- セットごとにオールアウトを狙う。
- 最終セットでオールアウトを狙う。
例えば、10回3セットのセット法を例にすると、前者であれば「10回→8回→6回」のようになりますし、後者であれば「10回→10回→ギリギリ10回(もしくは9回)」のようになるということです。
対象筋を疲労困憊にすることができなければ、意味がありません。
限界まで反復することの意味
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筋トレは、対象筋を疲労困憊にすることに意味があります。
筋肉は「刺激(軽い損傷)を受けて回復することで成長していきます」ので、辛くなる前にやめてしまうようなトレーニングでは意味がありません。
限界にトライする意識が必要です。
中途半端なところでやめてしまうと、きわめて効果が小さくなってしまうのです。
引用元:石井直方[著]『石井直方のトレーニングのヒント』P17より
特に「自重トレーニングにこだわっている」「準備できるウエイトに余裕がない」場合などは、適切な負荷設定が難しくなります。
低強度(60%1RM以下:反復回数20回以上)でも理論的には筋肥大が可能なのですが、精神的にキツいトレーニング(しごきのようなトレーニング)が必要となりますので、現実的ではありません。
回数は負荷でコントロール
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筋トレの回数は、負荷によって調節します。
筋トレ関連書籍に書かれている「○○回×△△セット」というのは、「○○RM(○○回しか反復できない負荷でのトレーニング)を△△セット実施する」の意味です。
くれぐれも「○○回でやめること」だとは解釈しないでください。
- 4回以下:神経系の発達
- 8~12回:筋肥大
- 18回以上:筋持久力
”○○rm”と”○○rep”には大きな違いがあります。
余力を残してやめてしまっている場合、筋肥大目的のトレーニングではなく筋持久力目的のトレーニングになってしまっている可能性があります。
これらのことからも、「回数は限界まで、限界となる回数は負荷によってコントロールする」ような意識を持つことがポイントであるといえます。
最終セットが限界になるセット法
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最終セットでの疲労困憊を狙うセット法もあります。
トレーニング効果だけを考えれば、各セットごとにオールアウトを目指すべきです。
しかし、肉体面や精神面への負担の大きなトレーニングとなりますので、慣れるまでは「最終セットでのオールアウトを目指す」ことも悪くはありません。
特に、トレーニング初心者にはおすすめの方法です。
毎セット限界まで行うのが最も効果的ですが、最後のセットでちょうど限界が来るように調節しても良いでしょう。
引用元:石井直方[著]『効く筋トレ・効かない筋トレ』P25より
例えば、10回3セットであれば、「10回3セットをクリアで次回重量アップ」「合計27レップ以下で次回重量ダウン」のようなイメージです。シンプルなセット法となりますので、悩むことなくトレーニングに集中できます。
いずれにしても、「反復回数は負荷によってコントロールされる」という基本原則に変わりはありませんので、トレーニング内容(トレーニング変数)を考える際には注意してください。
まとめ
筋トレの回数は負荷によってコントロールされます。
筋トレのセオリーである10回3セットというのは、「10RM(10回しか反復できない負荷)で3セット」という意味となります。
余力を残して10回3セットを実施したとしても、大きな効果は望めません。
また、目標反復回数には、部位による違いがあります。
速筋繊維優位なのか? 遅筋繊維優位なのか? ・・・平行筋なのか? 羽状筋なのか? ・・・など、様々な要因が関与してきますので、ここでの説明は割愛します。