筋トレによる眠気には、3つの原因が考えられます。
一つ目は「自律神経のバランス」、二つ目は「成長ホルモンの分泌」、三つ目は「血液中のアミノ酸バランスの変化」です。

  • 自律神経のバランス
  • 成長ホルモンの分泌
  • アミノ酸バランスの変化

副交感神経が優位になれば眠気が誘発されますし、成長ホルモンにも眠気を誘発する作用があります。また、血液中のBCAA濃度が低下することで相対的にトリプトファンの比率が高まり、リラックス状態になる可能性もあります。

筋トレによる眠気は、さほど珍しい現象ではありません。

スポンサーリンク

交感神経のバランス

副交感神経が優位になると、眠気が誘発されます。

筋力トレーニングは交感神経を優位にします。
交感神経は「活動のための神経」とも言われ、筋肉の活動に適した条件(血流やエネルギー供給)を促進させる働きがあります。

筋トレをはじめると眠気が吹き飛ぶような感覚があるのはこのためです。

しかし、トレーニング後は「交感神経から副交感神経への急激なシフト」が行われますので、心拍数、血圧、体温などが下がることによって「強い眠気におそわれる可能性がある」と推測されています。

  • 自律神経
    • 交感神経:活動的になる神経
    • 副交感神経:リラックス状態になる神経

交感神経と副交感神経は、シーソーのような関係性を持ちます。
ひとつの臓器を二重に(拮抗的に)支配していますので、どちらかが優位になると、すぐさま臓器に影響を与えることになります。

筋トレ後の眠気は、急激な副交感神経へのシフトが起こることによるものだと考えられます。

成長ホルモンの分泌

成長ホルモンが眠気を誘発する刺激になっている可能性があります。

成長ホルモン(GH)とは、下垂体前葉から分泌されるペプチドホルモンです。
その名の通り、成長ホルモンには「成長促進作用」があり、筋肉や骨の萎縮を抑制したり、体脂肪の増加を抑える働きがあります。

基本的にはカラダを活性化させるホルモンなのですが、場合によっては「眠気を誘発する刺激になっているのではないか?」とも考えられています。

現在のところは、成長ホルモンが眠りを誘う刺激になる可能性がある、としか言えません。

引用元:石井直方[著]『石井直方の筋肉まるわかり大事典』P297より

成長ホルモンは、深い眠り(ノンレム睡眠)や、筋トレ(特に化学的ストレス)によって分泌が促されることが確認されています。

どちらも、眠気と関わりの深いタイミングです。

これらのことからも、「深く眠るから成長ホルモンが分泌されるのか? 成長ホルモンが分泌されるから深く眠れるのか?」は分からないものの、「成長ホルモンが睡眠に何らかの影響を与える」と考えるのは自然なことです。

BCAAとトリプトファンの比率

血液中のBCAA(分岐鎖アミノ酸)が低下すると、リラックス状態になります。

BCAAには「トレーニング時の集中力維持」という作用があります。
これは、BCAAとトリプトファン(脳内でリラックス物質の材料となるアミノ酸)の比率を一定に保つことによって「リラックス物質の増加を防ぐ」ことによるものです。

通常、血液中ではBCAAとトリプトファンのバランスがとれています。

しかし、トレーニングによってBCAAが消費されると、相対的にトリプトファンの比率が高くなってしまいますので、リラックス物質が増加して集中力を保てなくなっていきます。

リラックス物質の増加は、眠気を誘発する原因にもなると考えられます。

まとめ

筋トレによる眠気には、「自律神経のバランス」「成長ホルモンの分泌」「血液中のアミノ酸バランスの変化」という3つの原因が考えられます。眠くなること自体は、自然な反応です。

特に問題はありませんので、神経質になる必要はありません。

筋トレ後に眠くなるのであれば眠るべきです。
可能であれば眠気が問題になるタイミングでのトレーニングを避け、「時間に余裕のあるタイミングでの筋トレを実施する」ことがポイントになります。