有酸素運動で老ける可能性。何事も「やりすぎは良くない」という一例。

有酸素運動のやり過ぎは、老ける(老化)の原因になります。

もちろん、有酸素運動がNGだといっているわけではありません。
有酸素運動には、持久力(心肺機能)の向上や抹消の血液循環を改善するなど、多数のメリットがありますし、精神面へも良い影響を与えます。

しかし、やればやっただけメリットが大きくなるか? といえばそんなことはなく、あくまで「適度な有酸素運動にはメリットが大きい」と認識しておく必要があります。

カタボリックの加速

有酸素運動をやりすぎると、筋肉を減らします。

筋の内部では、常にタンパク質の分解と合成が起こっています。
長時間の運動や飢餓時など、エネルギー需要が高まることで筋タンパク質の分解は亢進し、エネルギーとして使用されることになります。

「運動をしているのだから筋肉は増える(または維持される)のでは?」・・・と考えるかもしれませんが、有酸素運動くらいの刺激では、筋肉が減ることはあっても増えることはありません。

しかし、強度の高いエアロビックをやりすぎると、筋肉を萎縮させたり筋力が落ちたりといったマイナスの影響を及ぼすことがあります。

引用元:石井直方[著]『石井直方のトレーニングのヒント』P145より

筋肉量の減少は、老化に直結します。

「筋肉が減ると老ける」
・・・といわれても、なかなかピンとこないかもしれません。

しかし、筋肉が減ると、筋肉を動かすことによるホルモン分泌(成長ホルモンやインスリン様成長因子など)が不十分なものになりますし、姿勢を保持する筋肉(主に伸筋)が萎縮することによって姿勢が崩れていくことになります。

カラダの内側と外側、両面からの老化が進んでしまうのです。

太りやすい体質になる?

有酸素運動をやりすぎると、代謝が低下する恐れがあります。

筋繊維を大きく分類すると、遅筋繊維と速筋繊維とがあります。
遅筋繊維は「収縮速度が遅く、力は小さいものの持久性に優れている」筋肉であり、速筋繊維は「収縮速度が速く、力は大きいもののスタミナがない」筋肉です。

そして、エネルギー消費(代謝)に大きく関与しているのは速筋繊維です。

  • 遅筋繊維:活動することでエネルギーを消費する筋肉
  • 速筋繊維:安静時にもエネルギーを消費する筋肉

遅筋繊維は倹約家であり、速筋繊維は浪費家なのです。

有酸素運動は、主に遅筋繊維が動員されている運動です。
有酸素運動をやりすぎると、熱を出すためのたんぱく質(UCP3)が減少していくことが確認されています。

筋肉の質が遅筋寄りになればなるほど「痩せにくく太りやすい体質」に向かっていきますので、「ダイエットだから有酸素運動だけを長時間実施する」というアプローチはおすすめできるものではありません。

活性酸素による老化

活性酸素は、老化やガン、動脈硬化などの原因になります。
生体に取り込まれた酸素は、通常、2~5パーセントほどが代謝の課程で活性酸素になり、生体に傷害を与えます。

遺伝子、膜脂質、タンパク質などを酸化させてしまうのです。

しかし、一概に「運動=老化」とはいえません。

適度な有酸素運動は、活性酸素に対する抵抗力を高めます。
この「適度」というのが問題ではありますが、おおよそ最大酸素摂取量の50パーセント程度(ウォーキングなどの軽い有酸素運動)が目安になるとされています。

活性酸素種による遺伝子損傷を調べた最近の研究によれば、最大酸素摂取量の50%程度の強度(ウォーキングやゆるやかなエアロビック運動)であれば、著しい遺伝子損傷は起こらないようです。

引用元:石井直方[著]『トレーニングをする前に読む本』P149より

「有酸素運動”だけ”で痩せよう」と計画している場合には注意してください。

有酸素運動だけで痩せるためには、長時間で長期的な有酸素運動が必要です。なかなか痩せませんので、ついつい必要以上の運動強度やボリュームに設定してしまう人も少なくありません。

度を超した有酸素運動は、活性酸素を増やし老化を加速させます。

有酸素運動は、適度であれば老化を抑制する一方、過度であれば老化を促進させてしまいまう・・・諸刃の剣のようなものなのです。

まとめ

有酸素運動は、適度であれば老化予防(アンチエイジング)につながりますし、過度であれば老化を進めてしまうことになります。普通の人であれば、30min/day程度の有酸素運動で十分にメリットを享受することができます。

また、有酸素運動だけでのダイエットはおすすめしません。

有酸素運動だけでは除脂肪体重(筋肉や骨など)を減らしてしまいますし、過剰な運動ボリュームにつながりやすくなるため、活性酸素の影響も無視できないものとなります。

有酸素運動は効果的な運動ではありますが、適度であることが絶対条件となります。

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3 COMMENTS

本山

筋トレダイエットの時から楽しみにしています。
一点質問ですが、有酸素運動30分というのは何か合理的な理由とかありますでしょうか?
私の場合は、筋トレ後、10kmのジョギングを土日それぞれで行っており、だいたい1時間位の有酸素運動となっています。その他に平日は夜間ですが、1日又は2日、筋トレ+ 5kmランを行なっています。
筋トレも本来は間1日は開けたいのですが、週3回の筋トレを確保するとなると、どうしても土日だけは連日になってしまいます。一応、筋トレ後のホエイプロテイン+砂糖の摂取、就寝前の大豆プロテイン+牛乳で、翌日に筋肉痛などは残らないようにはしているつもりです。
アドバイスなどあわせて頂ければ幸いです。

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タベル

本山さん、お久しぶりです。

この記事にて「1日30分の有酸素運動」としているのは、健康面やフィジカル面(またはメンタル面)においてもっとも効果を実感しやすいのが「定期的な(わずかな)運動習慣」であるためです。

・・・正直、1日10分を週数回でも効果的だと考えています。
どちらかといえば、健康状態を向上させるような頻度とボリュームですね。

たとえば、筋トレの補助トレーニングとしてであれば「週2回、15~20分の有酸素運動」でも十分に効果的ですし、持久的競技のパフォーマンス向上が目的であれば運動強度を上げた長時間のトレーニングが必要となります。

「不特定多数の人に読まれる」というブログの性質上、可もなく不可もなくの指標として「1日30分の有酸素運動」と書きました。(※ダイエット目的であれば、頑張りすぎてもメリットは大きくないよ・・・という意味合いも込めてです)

トレーニング内容に関しては、(トレーニングの目的や目標が分かりませんので)的を射たコメントができないかもしれません・・・。

基本的に、持久系と筋力系の向上は相反するものです。
持久系を優先するほどに筋力系は発達しにくくなりますし、その逆もしかりです。

目的を見失わないことがポイントになるのかな? ・・・と考えています。

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本山

返信ありがとうございます。
またお礼遅くなりすみません。
適量の有酸素運動の目安ということで理解しました。
私の目的は、単に健康&ボディーメイクで、細マッチョを目指しており、持久力も強い瞬発力もさほど狙ってはおりません。
最高91kgあった体重が今78.5kgで、体脂肪率も28%→16%程度です。
身長が181cmなので、とりあえず体重77kg、体脂肪率13%くらいを目指せば、腹筋割れるかなが、当面の目標といったところです。
本ブログは、石井本をさらに深めて実践された結果が満載で大変参考になるため引き続きよろしくお願いします。

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