腕立て伏せの負荷は、自重(体重)です。
たとえば、同じ身長であっても体重が違えば、腕立て伏せの運動強度には大きな違いが生まれてきます。
痩せていると負荷が低く、太っている(または筋肉質)であると負荷が高いということです。・・・回数自慢をする人に痩せ型が多いのも頷けますよね?
負荷調節が困難であることが、自重トレーニングのデメリットです。
ダイエット目的で筋トレをはじめた場合、多くは過剰な負荷になってしまいますので、トレーニングボリュームを確保できなかったり、怪我のリスクを高めたりします。
運動強度は、高すぎても低すぎてもよくありません。
腕立て伏せのベンチプレス換算
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腕立て伏せの負荷は、体重によって変化します。
正しい腕立て伏せの運動強度は、ベンチプレス換算で「体重の60パーセント程度になる」と考えられています。
たとえば、日本人の標準的な身長である173cmの場合、標準体重は約65kgです。標準体重からプラスマイナス10kgで比較すると以下の通りになります。
- 体重55kg:55×0.6=33kg
- 体重65kg:65×0.6=39kg
- 体重75kg:75×0.6=45kg
体重が1kg増えると、運動強度は600g増加します。
同じ身長であっても、モデル体型、普通体型、アスリート体型(もしくは肥満体型)の違いにより、腕立て伏せの運動強度は全くの別物になるということです。
筋トレダイエットの落とし穴
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自重トレーニングによる筋トレダイエットは、トレーニングを続けるほど(体重が減るほど)に、運動強度が落ちていきます。
「反復回数の増加=トレーニング効果」とはなりません。
ウエイトトレーニングであれば「40kgをクリアできたから次回は42.5kgに挑戦しよう」となるのですが、自重トレーニングでの筋トレダイエットでは「ダイエットが進むほどに負荷が低くなる」ということになります。
これによって、トレーニング効果は停滞(鈍化)していくことになります。
「腕立て伏せ(自重トレーニング)では鍛えられない」というワケではありませんが、スムーズな成長のためには何らかの対策をとる必要があります。・・・多くは、ウエイトトレーニングへの移行です。
まとめ
ベンチプレスに換算すると、体重の約60パーセント(体重kg×0.6)が負荷になると考えられています。
標準体重(もしくは標準体重以下)であれば難しい種目ではありませんが、体重が重い場合には(トレーニング初心者にとっての)難しい種目になることも事実です。
また、筋トレダイエットでは「トレーニング初期に負荷が強く、続けるほどに負荷が低くなっていく」ことになりますので、何らかの対策をして「8~12RMの負荷を維持する」という意識が必要となります。