クレアチンのデメリットは、急激な筋力向上にあります。
クレアチンは、一部スポーツ団体では禁止されていることはあるものの、基本的にはドーピングリストに含まれないサプリメントです。
IOC(国際オリンピック委員会)の指定ドーピングリストには含まれていません。
しかし、クレアチンは確実なエルゴジェニック効果を持つ成分です。
エルゴジェニックエイドとは、栄養補助の域を超えて「パフォーマンスの向上に寄与させるサプリメント」というような意味となります。
確実な効果を持つクレアチンは、その効果の大きさ故、メリットがデメリットにもなり得るという諸刃の剣のような側面を持つサプリメントであると言えます。
急激な筋力向上
◇
クレアチンを摂取すると、短期間で筋力が向上します。
「筋力が向上するのはメリットでしかないのでは?」
・・・と思うかもしれませんが、短期間で急激に筋力が向上するために、テクニックが追いつかなくなる危険性をはらんでいます。
筋力があることと筋力を使えることは、意味合いが違います。
テクニックでコントロールできないほどの筋力は、パフォーマンスに直結しませんし、怪我のリスクを高めることにもなり得ます。
使用重量の増加
◇
トレーニング強度が高まれば、体への負担も大きくなります。
スポーツ選手が怪我をしやすいのは、強い力が発揮されるためです。
筋力が向上する(トレーニング時の使用重量が高くなる)に従って怪我のリスクが高まることは、(ある程度は)仕方がありません。
メリットとデメリットのバランスを見極めることが重要です。
また、(繰り返しになりますが)クレアチンは短期間で筋力を向上させます。
本来であれば、筋力の向上と並行して腱や靱帯なども強化されていくことになるのですが、クレアチンによって向上するのは筋力だけです。
当然、腱や靱帯などの相対的な強度は低くなります。
健康面への悪影響は?
◇
クレアチンは、デメリットの少ないサプリメントに分類されています。
しかし、100パーセント安全だとは言えません。
多量のクレアチンを摂取すると「尿量が増大して腎臓や心臓に負担をかける」ことが懸念されていますし、「自前の合成機能が低下してしまう恐れ」もゼロではありません。
比較的安全なサプリメントではありますが、過信は禁物です。
これらのことからも、基本的に「2~3ヶ月くらいに限定して使用すべきサプリメント」だと考えられています。増量期に使用して使用重量をのばすのか? 減量期に使用して使用重量を維持しやすくするのか? は、個人の戦略によって変わってきます。
まとめ
短期間のうちに筋力だけが向上していきますので、トレーニングテクニックが不十分であれば怪我のリスクが高まりますし、トレーニング時の使用重量がのびることから体への負担も大きくなります。
また、比較的安全性の高いサプリメントであるといっても、100パーセント安全が保障されているわけではありません。内蔵への負担や自前の合成機能への影響は、無視することのできない問題点となります。