筋トレダイエットに、極端な食事制限はおすすめしません。
「ダイエット=厳密な食事制限をしないと痩せられない」と考えている方も少なくありませんが、決してそんなことはありません。
むしろ、食事制限を厳しくしすぎると「体脂肪は減らずに除脂肪体重(筋肉や骨など)が減ってしまいます」・・・多少誤解を生んでしまう表現にはなるのですが「食べて痩せる」という意識が大切です。
もちろん、「ジャンクフードなどを好きなだけ食べても良い」とはいきませんが、筋トレ”ダイエット”の範疇であれば、普通に食べて普通に痩せる(標準体型よりも少しだけ良いカラダになる)ことは十分に可能なことです。
普通に食べて普通体型を目指す
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食事制限らしいことをしなくても、変化を実感することができます。
まずはじめに、僕自身のカラダの変化をご紹介します。
以下の画像は、筋トレを再開して約2ヶ月、食事制限なし(晩酌あり)、週2~3回の筋力トレーニング、という条件での変化です。
驚くほどに変化していることが確認できるかと思います。
- 身長:173cm
- 体重:72.3kg→70.4kg
- 体脂肪率:20.3%→17.2%
- ウエストサイズ:93cm→86cm
体重は約2kgしか減っていません。
この2ヶ月間、多少の「ジャンクフードを控える」という意識はあったものの、食事制限らしい制限はしていません。むしろ、1日3回のプロテイン摂取(間食)が増えていますので、常にお腹は満たされている状態でした。
もちろん、この食事内容では体脂肪率10%前後までは落とせないと思います。
しかし、ダイエットの範疇なのであれば、男性で体脂肪率15パーセント前後、女性で体脂肪率23パーセント前後まで落とせれば大成功だと思うのです。
現在の体脂肪率は17.2パーセントです。
このペースのまま体脂肪率15パーセント前後を目指していく予定です。
運動の量と質を落とさない食事
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可能な限り食べて運動量を落とさないことが、「長期的な視点での良い結果」につながりやすくなります。
食事制限を厳しくすれば、大きく体重を減らすことができます。
しかし、体重を大きく減らせば減らすほど「体脂肪が減らずに除脂肪体重が減りやすくなる」ということを忘れてはいけません。
筋肉はエネルギー消費の大きな細胞ですので、除脂肪体重を減らしてしまうほどに痩せにくくなりますし、ダイエット後のリバウンドのリスクを高めてしまうことにもなります。
優先すべきは、体重を減らすことではなく筋肉を減らさないことです。
「脂肪が薄くなってきたな」と思いはじめたら、大きな転換期。そこから先は必要以上にカロリーに注意しなくても、順調に脂肪が落ちていくでしょう。そうなったら少し発想を変え、むしろ質の高いトレーニングができるようにエネルギーを補給するようにしたほうがいいと思います。
引用元:石井直方[著]『石井直方のトレーニングのヒント』P206より
この一文に、僕は救われました。
遺伝的に太りやすい体質である僕は、これまでの人生で幾度となくダイエットを繰り返してきました。
しかし、「ダイエット中であっても食べてもいい、むしろ食べるべきなのだ」ということを知ってからというもの、これまでのダイエットよりも楽に(空腹感や思考の低下がなく)除脂肪を進めることができています。
本格的な食事制限のタイミング
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本格的な食事制限は、男性で体脂肪率15パーセント前後、女性で体脂肪率23パーセント前後からでも遅くはありません。
体脂肪の増減は、標準値から外れるほどに難しくなっていきます。
標準以下まで絞るのであればある程度の食事制限は必要ですが、標準的な体脂肪まで落とすことが目的であれば厳密な食事制限は必要がありません。
男性の体脂肪率15パーセントというのは、腹筋のカットが確認できるほどの体脂肪率であり、体脂肪率が10パーセントを下回ってくると下腹部(腹直筋下部)に血管が浮き出るようになってきます。
そして、(多くのヒトにとっての)筋トレダイエットの最終目的は、腹筋が割れて見えつつも健康的でやりすぎていない(気持ち悪くない)見た目であるはずです。
であれば、まずは普通に食べて体脂肪率15パーセント前後(女性であれば23パーセント前後)を目指すべきだと思うのです。
まとめ
摂取エネルギーを大きく減らせば体重を大きく減らすことが可能ですが、大きく減った体重の内訳は「体脂肪<除脂肪体重」となってしまいます。
また、運動をするにはエネルギーが必要です。
体重を減らすことばかりに固執してしまうと、運動に必要なエネルギーまで不足してしまうことになりますので、除脂肪体重を維持することが難しくなります。
特に(肥満体型から脱出するための)筋トレ”ダイエット”の範疇なのであれば、極端な食事制限はおすすめできません。バランスよく食べる技術を身につけることこそが、(筋トレ)ダイエット成功への近道となります。